今月10日、D51牽引の「 SL 北びわこ号 」の撮影前に
探索した、旧・石道寺跡
(滋賀県長浜市木之本町石道)。
本堂脇の一段下がった所に旧墓地が有って、二十数基
の石塔群が安座していた。その中でもひときわ目を
引くのが二基の五輪塔であり、目指して来た石塔で
ある。
二基のうち、まず一基について。
地輪には 胎蔵界大日如来の種子である「ア」が
しっかり判読できる。「ア」の右側には
「隆尊大和尚」、左側に「永禄二年七月十二日」
とある。
ここの五輪塔の素晴らしさは、その素性の判る事と、
当時 建立された場所から移動していない可能性が
高い事が挙げられる。
永禄二年は1559年で、お寺の和尚さんのお墓、
もしくは供養塔ということが判る。
五輪塔の各輪には種子が残存している。ただ、特徴的
な形態の印象を受けるのは、水輪が樽型で細長い点
であろう。 地輪の縦横比も、室町時代後期らしく
同率に見えている。塔高は1mほどであり、時代的に
標準的であろう。
ちなみに建立された1559年は、尾張桶狭間の戦いの
前年であり、近江は浅井家の時代であった。
by HP【舞!組曲】www.photoland-aris.com/myanmar/