2008年09月27日

能【羽衣】・写真

今月23日、伊勢神宮秋季神楽祭の日には内宮参集殿能舞台において、喜多流能楽の奉納も行われていた。全て素人さんの稽古発表で、素謡や舞囃子の間に能が一曲奉納された。ちょうど参集殿に入った時には羽衣】の途中であったが、意外だったのは天女(シテ)の冠り物である。これまで鑑賞した【羽衣】は、自分の流派の宝生流や他流派では観世流であるが、それらの流派での冠り物は“鳳凰天冠”であった。が、今回の喜多流では牡丹の花が付いた天冠であった。喜多流の方に伺ったが、これは喜多流では牡丹を付けた天冠だそうだ。独特と云えば、今回の替演出(小書)は「舞込み」であり、最後に天空へ飛翔する前に橋掛かりでの舞があるのも、特徴あるだろう。
今回の能【羽衣】のシテは素人さんの発表である。能の仕舞や謡を稽古する者にとって、究極が装束をつけ面をかけての能の上演であることは言うまでもない。素人である自分以外、立方と囃子方を全てプロの方に舞台を引き締めてやって戴く能の稽古発表は、趣味の世界の最高峰の贅沢であろう。
(今月23日伊勢神宮内宮参集殿能舞台で撮影;Nikon D300+VR70-300mm)
by HP【舞!組曲】www.photoland-aris.com/myanmar/

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天女(シテ)の羽衣を奪った白龍(ワキ)は、天女が舞を披露することを条件に羽衣を返す。
シテ)「いや疑いは人間にあり。天に偽りなき物を
ワキ)「あら恥ずかしやさらばとて。羽衣を返し与ふれば
シテ)「乙女は衣を着しつつ。霓装羽衣の曲をなし。

天女は白龍から返された羽衣を着て、天女の舞を舞いながら天空へと消えていく。
シテ)「南無帰命月天子。本地大勢至。」
)「東遊の舞の曲
    《序之舞・破之舞
)「三保の松原浮嶋が雲の。愛鷹山や冨士の高嶺。かすかになりて天つみそらの。霞にまぎれて。失せにけり
)上記の謡は、宝生流謡本による。
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posted by gagaku at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 能楽・雅楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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