08月09日(金)と10日(土)の連日、
谷口沙和さんの
ヴァイオリンを楽しんできた。
■ Tocka(トスカ)
2024年08月09日(金)、
ANNEX HITOMIホール(名古屋市中区)
ロシア語の「トスカ」とは(心の)鬱ぎ、鬱々とした状態、
憂愁、哀愁や絶望の意味だという。その反意として郷愁、
憧れ、未だ見ぬものへの魂の探求などの解釈があるという。
そのタイトルに表現されたチラシの肖像画では、どこか遠く
へ視線を送った茫洋とした表情の男性が描かれている。
その混沌とした心情は歴史精神(その時の時代精神)に
よって生み出された音楽かもしれないが、曲には鬱ぎや絶望
のなかから光が差し込む救済の望みのメロディも見いだせた。
1st ヴァイオリンやビオラは奏者を替えながらも、各演奏家
が渾身の魂の入力で演奏された壮絶なトスカ感を感じさせる
素晴らしい演奏であった。
特にショスタコーヴィチとプロコフィエフでは「トスカ」
からの救いが異なって感じられる。ショスタコーヴィッチ
の場合、スターリン時代からの解放の予言と願望が有った
のかもしれないが、フルシチョフになって何が変わったと
いうのだろうか。そして現在、果たして我々の進む未来が
不安故に「トスカ」の心情に陥ってしまうということも
あろう。07月27、28日に谷口氏らによって開催された
被爆ピアノを使った「平和コンサート」とセットで考えたい
内容であった。
余談になるが、プッチーニ作曲のオペラ「トスカ」であるが、
トスカとは固有名詞くらいに思っていたが、このロシア語
の意味が隠された名前だなのだろう。そう思うと、オペラ
「トスカ」への理解も深まったように思えた。
(演奏家)
谷口沙和氏、日比ありさ氏、川合晶氏、窪田翔椰氏
(曲)
ラフマニノフ;弦楽四重奏曲 第1番
リムスキー=コルサコフ他;ロシアの主題による変奏曲
ショスタコーヴィチ;弦楽四重奏曲 第1番
プロコフィエフ;弦楽四重奏曲 第1番
(アンコール)グラズノフ;ワルツ
(主催)谷口沙和氏 / ON Music project
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■ 「古都づくりの集い」(あすかのサマバケ)
2024年08月10日(土)日本料理「萩王」(奈良県明日香村飛鳥)
明日香村観光協会交流活性化事業実行委員会「あすかのサマバケ」
参加で、「古都づくりの集い」として萩王さんでON Music project
さんによる演奏が行われた。演奏者は谷口沙和氏、フルートの
細川杏子氏であった。「萩王」さんは大正初期に五條から移築された
古民家であり、まず大広間で 濃厚で美味しい完熟マンゴーと
ラズベリーのあわ雪氷を頂いているうちに、演奏が始まった。
その後に谷口氏は蔵の中、細川氏は書院造の金の間と別々に移動
されて演奏された。風格あり重厚で歴史ある建物の中で演奏される
ヴァイオリンそしてフルートは、同様に風格と気品に満ちた響きで
明日香の歴史の地に融合したように思えた。
かき氷、演奏、展示作品そしてお屋敷と明日香の村の雰囲気を
味わわせて頂き素晴らしい時を過ごさせて頂いた。
by
HP【舞!組曲】www.photoland-aris.com/myanmar/
posted by gagaku at 22:57|
谷口沙和 さんバイオリン
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